自然の力で生まれ、長い時間をかけて育まれた大パノラマ。この広大な自然を背景に、ゆるく流れる時間の中で、苔も、草木も、人間も、今この時も、自然と歴史の中の小さな1ピースだと知る。


地図:青森県十和田市の場所

青森・秋田の両県にまたがる十和田湖。
そして、十和田湖・子ノ口から焼山までの約14kmの流れ、奥入瀬渓流。
十和田湖と奥入瀬渓流は、十和田八幡平国立公園を代表する景勝地の一つです。
新緑や紅葉の名所としても知られ、シーズン時には特に、四季を満喫しに訪れる人や日常の疲れを癒しに訪れる人などで溢れています。


雄大な自然に気付かされる十和田湖

  • 十和田湖写真1
  • 十和田湖写真2
  • 十和田湖写真3

北の景勝地として名高い十和田湖。空も周りの山々も全て映し込む鏡のように美しい湖と、つい深呼吸したくなる開放的な大パノラマを臨むとき、何度訪れても言葉にできないほどの感動に包まれます。
十和田湖は、約20万年前に始まった火山活動により形成されたカルデラ湖です。
カルデラ湖とは、噴火によってできた陥没に、長い年月をかけて雨水が貯まってできたものを指します。
御倉半島と中山半島に挟まれた中湖では327mの水深を示し、日本では第3位の深さ。大地をえぐった噴火のエネルギーのすさまじさと、形成にかかった年月の長さを感じることができます。四季は止むことなく巡り来て、湖を囲む風景は新緑と紅葉を繰り返し、絶えず成長してきました。
足元の小さな自然から、遠くに広がる絶景に目を向けるとき。そして湖に映し込まれる美しい風景を見つめるとき。小さな石や苔も、草木も、岩も、この広大な風景を構成する自然の一部であり、そのひとつひとつがこの大きな森を成していること、そして四季の中で生き続けていることを実感するはずです。そして、自然の力の偉大さに気付くことでしょう。


大自然に車を横付け:千変万化の流れとうつろいの森、奥入瀬渓流

奥入瀬渓流の地図

  • 奥入瀬渓流写真1
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  • 奥入瀬渓流写真4

十和田湖から流れ出る奥入瀬川。岩や樹林をかき分け、滝や清流を成しながら、十和田湖畔・子ノ口から焼山まで約14km続く流れが奥入瀬渓流です。特別名勝、天然記念物として国の指定を受け保護されており、滝や清流、岩など、たくさんの見所があります。
奥入瀬渓流は、どなたでも散策しやすいのが魅力のひとつ。渓流沿いには車道と遊歩道が整備されており、道を包むように続く木々のトンネルが、訪れる人たちをいつでも歓迎してくれます。春〜夏には新緑の、秋には紅葉のフィルターをかけて、そこにゆるやかに降り注ぐ日の光。滝を背に深呼吸するたび、私たち自身が四季に染められ、自然と一体になる感覚を味わえる場所です。車を降りてから入り組んだ森の奥深くに入ることなく、人と同じ目線で清流や滝を感じることができ、まさに、誰にでも開かれた森であると言えます。
また、その中に流れる滝や清流の美しさは言うまでもありません。雄々しく、力強く流れる様子を眺めているだけで、不思議と心を洗われるような気持ちになります。これらはすべて、自然の力だけで長い年月をかけて形成された流れ。人の手では造り出せない造形美とまるでからくりのように繋がる流れの中に、神聖なる自然の力を感じることでしょう。