十和田八幡平国立公園は昭和11年2月1日、十和田国立公園として指定された。その後、昭和31年7月10日に八幡平地域が追加指定され現在の公園名に改称された。総面積85.409ヘクタール。青森、岩手、秋田の三県にまたがる。八甲田山から十和田湖にかけての一帯と八幡平から秋田駒ヶ岳にかけての一帯の二つに大別される・十和田八甲田地域は44.920ヘクタールの面積をもつ。
公園全体が那須火山帯に属する火山地域で典型的な二重カルデラ湖としてその美しさを誇る 十和田湖、やさしい渓流美を展開する奥入瀬渓流、樹氷の鮮やかな八甲田連峰、原生林におおわれた盾状火山地形に火山現象と湿原が点在する八幡平などが・この公園に自然美の豊かさと多様さをもたらしている。十和田八甲田地域は森林が美しく八甲田連峰のアオモリトドマツ林、蔦温泉付近の深いブナ林、奥入瀬渓流沿いのトチノキ、カツラを中心とした落葉広葉樹林など、新緑から紅葉のころま で変化に富んだ自然を味わうことができる。現在では年間250万人(十和田八幡国立公園全体ては年間940万人)をこえる人々が訪れている。
神秘の湖と優美な渓流
十和田湖は、標高400メートルの山上に深く青い水をたたえる二重カルデラ湖である。湖の中央に向って中山半島と御倉半島か両腕のように伸び、それにかこまれた中湖が 水深327メートルの最深部である。湖をとりまく外輪山の内壁には、たびかさなる火山活動によって堆積した地層が鮮明に見られ、幾万年の歴史を物語っている。現在、この湖には 20種の魚類が生息するが、有名なヒメマスは、明治36年、和井内貞行は青森県が支笏湖から移入した卵を譲り受け養殖に成功したものである。十和田湖の子ノ口から流れでた奥入瀬渓流は、途中いくつもの支流を滝として 迎え入れ、やがて焼山で蔦川と合流し太平洋へと注いでいる。焼山と子ノロ間の奥入瀬渓流沿い14キ□には、遊歩道が整備され、ブナ、カツラの巨樹のあいだからもれるやわらかい 陽の光を浴び、清冽な水の音を聴きながら気持ちよく歩くことができる。
雄大な山岳美と素朴な温泉地
東北特有の深いブナ林とアオモリトドマツ林におおわれた八甲田山は大岳を中心とする北八甲田火山群と櫛ヶ峰を中心とする南八甲田火山群から成りたっている。これらの山腹のゆるやかな斜面には 7月ごろまで豊富な残雪か見られ、ヒナザクラ、チングルマなどの大群落が楽しめる湿原が発達している。八甲田山のふもとは豊富な温泉に恵まれ、酸ヶ湯、蔦などの温泉地が点在している。それぞれが、東北ならではの、素朴 で個性的な湯治場の雰囲気を漂わせている。また、蔦温泉周辺に点在する沼の一つでは、6月中旬、周辺に生息するモリアオガエルの特徴的な卵塊が見られる 。
国立公園の保護と利用
国立公園は、その景観の優劣により、特別地域と普通地域に区分して管理されている。特別地域は、その重要性に応じてさらに細区分され特別保護地区および、第1種から第3種までの地域に分けられている。特別保護地区は、あらゆる行為が最も厳しく規制されている地区であり、公園の核心部となる地域である。その他の地域を普通地域とし、ここでは前者より規制が緩やかである。十和田八甲田地域の場合、表のように指定されており、八甲田山、奥入瀬渓流、十和田湖外輪山の一部などが特別保護地区となっている。また、健全で快適な環境を確保し、適正な利用を図るため、公共的な公園施設を重点的に整備する利用拠点として「集団施設地区」が設定されている。十和田八甲田地域の場合は、休屋(やすみや)、酸ヶ湯、生出(おいで)の3カ所である。







